LOGISTICS COLUMN

物流コラム

2025.01.16

現代の企業における物流業務は、単に物を配送するだけではありません。

効率的な物流の管理は、競争力を左右する大きな要因となります。
そこで、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)や注文管理システム(OMS:Order Management System)の重要性が増しています。
これらのシステムは、物流や在庫の管理だけでなく、注文の処理や配送の最適化を実現し、企業全体のパフォーマンスを向上させる役割を果たします。

本コラムでは、WMSに焦点を当て、その特徴である「API連携」「在庫管理」「バーコード検品」とともに、OMSとの連携の重要性を詳述し、現代の物流システムがいかに進化しているかを解説します。

WMS(倉庫管理システム)の基礎とその役割

倉庫管理システム(WMS)は、物流業務における倉庫内での在庫の管理、保管、ピッキング、梱包、出荷作業を効率化するためのシステムです。

WMSは、倉庫内の在庫の状況や商品のロケーションをリアルタイムで把握し、作業員に正確な指示を出すことができるため、作業の無駄を最小限に抑えることが可能になります。
WMSを活用することで、商品の入庫から出庫までの流れを一元管理できるため、効率的に業務を遂行することができます。これにより、作業の遅延やヒューマンエラーを減らすことができ、結果として配送時間の短縮やコストの削減を実現します。

API連携の重要性

近年、物流業界では、WMSが他の業務システムと連携することが不可欠となっています。

特にAPI(Application Programming Interface)連携は、WMSの効果を最大化する重要な手段の一つです。API連携を活用することで、異なるシステム間でデータのリアルタイム交換が可能になり、業務の効率化が実現します。
例えば、WMSとECサイトとの連携により、受注情報や在庫状況が自動的に更新され、出荷指示や配達のスケジュールが即座に反映されます。これにより、出荷ミスや在庫切れを防ぎ、顧客への納品の遅延を最小限に抑えることができます。


また、API連携は、他のビジネスプロセスと連動させることができるため、製造業や小売業、流通業など、さまざまな業種に対応できる柔軟性があります。
物流業務においては、商品の受発注がリアルタイムで反映され、在庫が正確に管理されるため、在庫過多や在庫切れを防ぐことができます。

在庫管理の精度向上

WMSの主要な機能の一つは、在庫の正確な管理です。

従来の手作業での在庫管理に比べ、WMSを使用することで、在庫状況をリアルタイムで把握し、エラーを最小限に抑えることができます。これにより、過剰在庫や欠品のリスクを削減し、最適な在庫レベルを維持することが可能となります。
WMSは、入庫時にバーコードRFID(radio frequency identification)タグを使用して商品の情報を自動的に登録するため、在庫管理の精度が向上します。また、商品が倉庫内でどこに保管されているかの位置情報も把握できるため、ピッキング作業の効率も格段に向上します。
ピッキング指示は、WMSによってリアルタイムで最適化されるため、作業員は正確な商品を、最短ルートで取り出すことができ、作業時間を短縮できます。


さらに、WMSは在庫の監視機能も備えており、商品の期限やロット管理を行うことができます。これにより、賞味期限や消費期限が設定されている商品、あるいは製造年月日などが管理され、効率的に商品のローテーションが行われることによって、売れ残りや不良品の発生を防ぐことができ、物流の効率を一層高めることができます。

また、拠点倉庫が複数あった場合も、複数倉庫にわたって在庫連携ができるのでリードタイムが短く運賃が安価な倉庫から出荷するなど物流コストの削減にもつながります。

さらにアウトソーシングした場合でも倉庫内の進捗をリアルタイムで把握できるので在庫切れを起こす前に発注をすることも可能です。

バーコード検品と作業効率化

バーコード技術は、WMSと組み合わせることで物流業務を劇的に効率化するツールとなります。

バーコード検品を使用することで、商品の受け取りや出荷時に手作業によるミスを減らし、正確な商品確認が瞬時に行えます。
倉庫内でのピッキングや検品作業には、バーコードリーダーを使用することが一般的です。作業員が商品に貼付されたバーコードをスキャンすることで、WMSはその商品を確認し、正確な位置情報や数量を即座に把握します。
このプロセスにより、作業員は誤って異なる商品を出荷することがなくなり、顧客への納品ミスを防ぐことができます。
バーコード検品により、物流業務のスピードも大幅に向上します。
商品がどこにあるかを即座に確認できるため、無駄な移動が減り、作業時間が短縮されます。

さらに、商品が出荷された時点で自動的に在庫データが更新され、システム内での情報の整合性が保たれます。これにより、リアルタイムでの在庫状況の把握が可能となり、企業全体での業務のスピードと正確性が向上します。

OMS(注文管理システム)との連携

WMSとともに注目されるシステムが、OMS(Order Management System:注文管理システム)です。

OMSは、顧客からの注文を受けてから、商品の出荷、配送、納品までの一連の流れを管理するシステムです。
OMSは、注文の受付や在庫確認、注文の履歴を管理することに加え、顧客への通知や配送状況のトラッキングを行います。
WMSとOMSの連携により、注文から出荷までのプロセスがシームレスに繋がり、効率化が図られます。OMSが顧客からの注文を受けると、その情報はWMSに送信され、倉庫内での出荷準備が即座に開始されます。

また、OMSが注文内容を確認する際に、WMSからのリアルタイムな在庫情報を参照することができ、在庫が十分かどうかをすぐに確認できます。
OMSとWMSが連携することで、出荷の指示が正確に伝わり、無駄な手間を省くことができます。顧客からの注文情報がOMSに入力されると、WMSが自動的に在庫を確認し、ピッキングリストを作成します。その後、ピッキング作業が完了した後に、WMSは出荷データをOMSに返し、OMSは顧客への配送手配を行います。この流れにより、注文から配送までの時間が短縮され、顧客への納期が守られます。

また、他モール、他店舗間での在庫連動もできるため、在庫を各モール、店舗にて調整する必要がありません。

まとめ

WMS(倉庫管理システム)は、在庫管理、作業効率の向上、ミスの削減に寄与する重要なシステムであり、API連携やバーコード検品を駆使することで、その効果を最大限に発揮します。

また、OMS(注文管理システム)との連携により、物流の全体フローが一層効率的に管理でき、出荷業務負担の改善ができるようになります。これらのシステムを効果的に組み合わせることで、企業は物流コストを削減し、顧客満足度を向上させることができ、さらなる成長を実現することが可能です。

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